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staining:study [2025/03/08 02:53] – 作成 Konajirami-yastaining:study [2025/03/14 08:27] (現在) Konajirami-ya
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 Table 2. Common reagents used for staining scale insect cuticle Table 2. Common reagents used for staining scale insect cuticle
 ^Reagent  ^Contents^ ^Reagent  ^Contents^
-|Hoge  |Uhyo| 
 |Essig's aphid fluid|20 parts lactic acid (reagent grade 85%) + 2 parts phenol (liquefied) + 4 parts glacial (100%) acetic acid + 1 part distilled water. Heat at 56-60°C for 30-60 minutes. Label and store solution in a dark bottle.| |Essig's aphid fluid|20 parts lactic acid (reagent grade 85%) + 2 parts phenol (liquefied) + 4 parts glacial (100%) acetic acid + 1 part distilled water. Heat at 56-60°C for 30-60 minutes. Label and store solution in a dark bottle.|
 |Acid alcohol|20 parts glacial acetic acid + 80 parts 50% ethanol| |Acid alcohol|20 parts glacial acetic acid + 80 parts 50% ethanol|
 |Acid Fuchsin|Acid Fuchsin powder (0.5 g) + 10% HCI (25 ml) + H20 (300 ml)| |Acid Fuchsin|Acid Fuchsin powder (0.5 g) + 10% HCI (25 ml) + H20 (300 ml)|
 |Acid Fuchsin stain|3 parts acid alcohol + 1 part acid Fuchsin. | |Acid Fuchsin stain|3 parts acid alcohol + 1 part acid Fuchsin. |
-[(kondo2022)]+ 
 +〜 [(kondo2022)]
 </WRAP> </WRAP>
 +
 +
 +**腹吻亜目**
 +
 +> <WRAP :en>
 +**Staining**:
 +Temporary slides were mounted in a water-soluble mountant, so staining with
 +water soluble Acid Fuchsin was not possible. For permanent mounts, all Sternorrhyncha with
 +membranous, colourless cuticle (except aphids and psyllids, in which pigmentation patterns
 +are taxonomically useful) were stained in a mixture of Acid Fuchsin stain and Essig’s Aphid
 +Fluid for 12-24 h. It is possible to stain in acidified 80% alcohol, but this evaporates quickly;
 +Essig’s Aphid Fluid was used instead, as it does not evaporate quickly and can be heated
 +safely. If specimens refused to take colour (due to presence of traces of KOH), a few drops 
 +Sirisena et al.
 +142
 +of glacial acetic acid were added to the dish. Staining could be accelerated by several hours
 +by warming at 60 °C. 
 +[(sirisena2013>>page:141)]
 +</WRAP>
 +
 +** カイガラムシ **
 +
 +> <WRAP :en>
 +**6 氷酢酸浸漬(除水,染色調整)** \\
 +70%酢酸で洗浄して虫体が十分に透明になったら,染
 +色液を 1 ~数滴滴下した 100%酢酸を入れたシャーレに
 +虫を移し換え,1 時間から数時間静置して染色調整と除
 +水を行う。この処理では薬液を一回以上交換したほうが
 +よい。
 +[(tanaka2014>>page:50)]
 +</WRAP>
 +
 +
 +===== 試してみてわかったこと =====
 +
 +[[:acid fuchsin]]による染色
 +
 +==== 溶媒 ====
 +
 +[[:acetic acid]]で特に問題なさそう。
 +酸性化されるし、脱水もされるので効率的にも良いと思う。
 +
 +[[:hcl]]を含む[[:acid alcohol]]でを使うと染まらないし、むしろ脱色される。
 +[[:acidification]]工程で使うと染まらなくなる。
 +ので[[:hcl]]は全工程で使わないことにする。
 +
 +
 +==== 染色液の濃度 ====
 +
 +かなり薄くても染まる。
 +例えば、0.5mL程度の[[:acetic acid]]に0.01%の[[:acid fuchsin]]染色液を1滴加えただけの溶液でも染まる。
 +薄いときのメリットは、
 +溶媒はほぼ透明で検体だけが色づくので染まり具合が明確にわかることである。
 +時間が掛かりそうだが、どのみちムラを取るのに時間が掛かるので大差ない。
 +ということで、透明に近くなるほど薄めるという意味で、0.01%が良さそうに思っている。
 +
 +==== 方法 ====
 +
 +前の処理が[[:dewaxing]]の場合、[[:decantation]]して以下の作業に移れば良い(すすぐ必要なし)。
 +
 +検体の入った容器に[[:acetic acid]]を0.5mL〜1mL程度加え、0.01%[[:acid fuchsin]]染色液を1滴落とす。
 +60℃に加温して数時間置く。
 +斑に染まってくるので適当なタイミングで[[:acetic acid]]に入れ替え、
 +60℃に加温して半日〜1日置く(**均し**)。
 +
 +温度と時間は、検体の種類や状態、大きさや数等により、かなりばらつきがあると思う。
 +
 +濃く染まった場合、後述する方法で脱色できるが時間が掛かるので、
 +染色は早めに切り上げて、均しに移行し、
 +様子を見ながらまた染色液に戻すということを繰り返す方法を取った方が良いかもしれない。
 +
 +
 +==== 容器 ====
 +
 +加温する場合はスクリューキャップのできれば小さめの容器が良い。
 +
 +
 +==== 濃度 ====
 +
 +どれぐらいの濃さに仕上げるか。
 +濃いと見づらいのである程度薄い方が良い。
 +
 +写真!!
 +
 +
 +==== 脱色 ====
 +
 +70%エタノールに浸けておくと脱色できるように書かれた文献も見られるがうまく行かない(引用!!)。
 +
 +アルカリにつけるのはだめなのか?
 +
 +[[:acid alcohol]]に浸けるとなぜか脱色される。
 +
 +吸着剤とともに[[:acetic acid]]中に浸けておく方法。
 +ただし、温度と時間は検体の種類などにより大きく変わると思われるが、加温してもかなり長時間要するかもしれない。
 +-> すごい時間が掛かる。
 +
 +[[:acid fuchsin]]用の吸着剤としていくつか試してみたが、
 +扱いやすいものとしては
 +
 +  * シリカゲル -> 一応使えそう。-> すごい時間が掛かる。粒をピンセットで(->スパーテル)拾って入れれば良いので扱いが簡単。反応で変な物質が精製されなさそう(わからんけど)。
 +
 +テストしてみたいもの
 +
 +  * 洗濯で使う色移り防止シート
 +
 +その他ダメっぽいもの。
 +
 +  * 絹糸 -> 吸着するが糸は扱いが面倒。
 +  * 紙 -> 炭酸カルシウムの入っていない、ろ紙を使ってみたが吸着しないっぽい。
 +  * 卵の殻 -> 良く吸着するが、アルカリが精製されるので良くないかも。
 +  * 卵の薄皮 -> 最初使えたと思ったがしばらくしてやってみたら使えなかった。乾燥するとダメなのかも。面倒だしいいや。-> そうじゃなくて今テストしてる検体が染まりにくいっぽい。
 +  * 米粒 -> 良く吸着するが何が精製されるかわからんしやめておこう。
 +
 +==== 大きさがかなり違う検体を混ぜない ====
 +
 +想像だが、
 +色素が均等に分散されるとすると外皮の厚い部分は色が濃くなり薄い部分は薄くなるはず。
 +そうすると外皮の厚さがかなり違うようなものを同じ容器で処理しない方が良い気がする。
 +例えば齢数の異なる検体を混ぜて処理しない方が良いと思う。
 +まぁやらないと思うけど。
 +
 +==== 仕上げ染 ====
 +
 +コナジラミの場合、刺毛が小さくて生物顕微鏡で普通に観察するととても見づらい。
 +刺毛は染まりやすいと思うので最後の均し後に軽く染めることで刺毛だけ染められると良いかも?
 +管状孔のところも染まりやすい。
 +これは別のところで。
 +
 +
 +==== クローブオイルに長時間浸けない ====
 +
 +この後の[[:clearing]]処理でクローブオイルに浸けるが長時間浸けると脱色される。
 +もし処理を中断したい場合は、染色後[[:acetic acid]]に浸けた状態で保存する。
 +
 +
 +==== 課題 ====
 +
 +このやりかただと染まりにくい部分も染まってしまいコントラストが低くなってしまう。
 +といって、どうすればよいのか。
 +
 +
 +
  
  
行 64: 行 207:
 [[:refnotes:eppo2004]], [[:refnotes:eppo2004]],
 [[:refnotes:henderson2011]], [[:refnotes:henderson2011]],
-[[:refnotes:kondo2022)]+[[:refnotes:kondo2022]], 
 +[[:refnotes:sirisena2013]], 
 +[[:refnotes:tanaka2014]]
 </wrap> </wrap>
  
staining/study.1741370001.txt.gz · 最終更新: 2025/03/08 02:53 by Konajirami-ya