一般的に行なわれている方法は フェノールや抱水クローラルを使用するのだが、 抱水クローラルは一般人には入手できなさそうだし、 フェノールも劇物指定されておりなるべく使いたくない。 そこで代替手法を開発したいと思う。
文献に載っている方法。 専門家が一般的に行なっている方法と思う。
(昆虫全般)
If the insect is naturally waxy, De-waxing of cuticle is carried out by gently warming specimens in a medium such as Carbol-Xylol (Xylene with 10% dissolved Phenol), Carbol-Histoclear (Histoclear with dissolved Phenol) or Chloral-Phenol (equal weights of Phenol and Chloral Hydrate warmed to liquefy and remaining liquid when cooled). (P. Brown, E. Boise, 2006, p.16)
少し温める。 脱ロウ剤は以下のいづれか、 Carbo-Xylol(キシレンと10%の溶かしたフェノール)、 Carbo-Histoclear(Histo-Clearと溶かしたフェノール)、 Chloral-Phenol(等量のフェノールと抱水クローラル)。
(腹吻亜目)
De-waxing: Dehydrated specimens containing wax or oil droplets were transferred to histoclear phenol for at least 5 minutes to dissolve the lipids. Once the lipids had dissolved, specimens were rinsed in 95% isopropanol to remove dissolved waxes. (UGAI Sirisena, et al., 2013, p.142)
脱水後にやると書かれている…。 少なくとも5分。 histoclear phenol(上のCarbo-Histoclearと同じと思われ)。 isopropanol
テスト中。
たぶん氷酢酸は不要。
シュワシュワするのは別の脱ロウとは関係なく要因っぽい。 KOHとキシレンとエタノールで何か反応してるっぽい。 シュワシュワするので、汚れは取れやすい。
脱ロウ自体はエタノール中で加温して溶かしキシレン等を加えるというのでいけるかも。 d-リモネンでもいけそう。
代替法
※開発中で氷酢酸とエタノールが両方必要かどうか、あるいは割合などはまだ良く調べてない。 (再調査!!)
脱ロウ剤としてキシレンと氷酢酸とエタノールの混合物を使う。 いちおううまくいっているようだが、対比試験は行なわれていないので性能についてはわからない。
原理的には次のような感じだと思うのだけど素人には難しい。 キシレンは蝋を溶かすことができるが、処理中に出た水分が膜を作りこれを阻害する(たぶん)。 そこで水にもキシレンにも溶ける薬品を併用することで、うまいことしてくれる(たぶん)。 配分や氷酢酸とエタノールの片方でも良いかなどはまだ調べられていない。
加温したほうが良さそうだがこれも詳しく調べてない。 加温は危険性もあるのでやり方も含めて調べ直すつもり。
処理時間については加温していれば10分〜30分程度。 ワックスが多い場合1回ですまない場合がある。 量的な問題かもしれない。
ポリプロピレン製のプラスチック製薬液処理皿またはガラス製薬液処理皿。 一般的にポリプロピレンはキシレン耐性が無いとされており使わない方が良いのかもしれないが、 それほど長時間ではないからか今のところ問題なさそう。 私は今までポリプロピレン製の容器を使っていたが、 ガラス製の方が中が見えるのでそちらに置き換えてみようかと思っている。
シュワシュワと反応している間続けて、 見た感じ無反応になったら終了している。 最初から無反応な場合は10分ぐらいそのままにして終了してる。 それでいいのか?
キシレンはHisto-Clearに置き換えられるようなので、 もし安価に入手できるようなら検討してみたい。
またdリモネンも使えるかもしれない。 これもテストしてみたい。 バルサムで封入する場合はバルサムの溶剤としてキシレンかHisto-Clearが必要になるのであらたに薬品を増やすことになるだけだけど、 バルサムを使わない場合はアリかも。
レモゾールというのもあるらしい。似たようなやつかも。
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