文書の過去の版を表示しています。
ピペット
書き直し
ノズル+バレルとピペッターを分離
ノズルの細口加工 固定容量マイクロピペット
ピペットは少量の液体を計量したり移したりするための器具。 スポイトとも呼ばれている。 虫の標本Wikiではdrainingやtransferで使うものと道具を作るために使うものについて述べる。 正確に計量するものは使わないので取り扱わない。
参考
用語について
ピペット(pipette)はフランス語起源でスポイト(spuit)はポルトガル語起源らしい。 ものによってどちらで呼ばれているかが違ってるが規則がわからない。 日本に伝来した時期などが関係しているのかもしれない。 英語圏ではspuitは使われておらず、pipetteかdropperが使われているようだ。 スポイトはスポイドと呼ばれることがある。 マルエムのスポイド瓶、ダイソーの化粧品用スポイド、古い文献(田中 正, 1976, p.374)。 あるいは昔そう呼ばれていたのだろうか。
パーツ
ピペットは大きく3つの部分に分けられる。
- P: ポンプの役割をするピペッター
- B: 液体を溜める容器バレル
- N: 液体を吸排する入り口となるノズル
これらはパーツとして分離している場合も有るし一体となっている場合もあるので、 その組み合わせとしては以下のような場合があり得る。
1. それぞれ別のパーツで構成されている。ノズルとバレルの間に段差が有り、ここに検体が貼り付くことがあるため移動用には適さない。 いろいろな市販の先端チップが使える。
2. ノズルとバレルが一体となっている。 段差が無いので液切れが良く検体が貼り付いたりすることもほとんどない(ガラス製だとたまにあるが)。 パスツールピペット、駒込ピペット、polyethylene pipette、ピペットチップ+ピペッター等が含まれる。 移動用にはこれ以外は使えない。 いちばん良い組み合わせだが市販の極細口ノズルの多くが使えないので、 自作するかあるいは排液用には別の方法を使うこともできる。
3. バレルとピペッターが合体している(シリンジ本来の使い方)。 2と同じ構成だがノズル内容量を越えてバレル内にまで液体を入れる使い方をする。 段差が有り移動用には適さない。 ガスケットが消耗しやすくガスケットのやや頻繁に交換しながら使うことになる。 ※最近やってないので、どれぐらいかわからない。
4. 全てが一体となったものでpolyethylene_pipetteしかないと思う。 いちおう使えると思うが肉厚が厚いのでそのままでは使いにくそう。 先端を加工すれば使えると思うがその意味があるのかどうか。 ※使ったことが無いので一度試してみる。
ピペッター
ポンプの役割をする部分。 いろいろな種類があるが、 drainingやtransferにおいて実用になりそうなのは以下の4つ。
上から1〜4。1ml pipette tipを挿した場合(一部はアダプターを介している)。
1: 固定容量マイクロピペット。 可変容量のマイクロピペットに比べるとかなりコンパクト。 two step plunger operation機能を備えている(ものもある)。 適合するピペットチップを挿して使う。 オススメしたいが入手が難しいか、もしくはものすごく高価。
2: シリンジ。 本来はポンプ+バレルとして使うが、単なる空気ポンプとして使う方法もある。 チューブノズルやルアーチップはそのまま挿せるが 200ul pipette tipや1ml pipette tipを挿すにはアダプターが必要。 空気ポンプとして使う場合、シリンジ内部に液体が進入しないように気を使わないといけない。
3: spring syringe。 2にスプリングを追加したものでコントロールしやすくなると思う。 通常の使い方をしていればシリンジ内部に液体が進入しないように気を使う必要が無くなる。
4: ピペットバルブ。 手の震えがそのまま増幅される感じで私は使いにくいと思うが 慣れの問題かもしれない。 ピペットチップに嵌めるにはアダプターが必要。詳しくはtube pipetteを参照。 一部の1ml pipette tipにはそのまま挿せる。
市販ノズル
チップ内容量以下で使う場合はノズル兼バレルと考えられる。
| 番号 | チップ | 口径 | チップ内容量 | 透明 | 接続 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | チューブノズル | 0.3〜0.7mm | 100μL? | △ | Φ3.5mm |
| 2,3 | conical | 0.2〜2.5mm | 100μL | △ | ルアーロック |
| 4 | flexible dispensing tip | 0.25〜1.3mm | - | × | ルアーロック |
| - | イリゲーションチップ | 0.3mm | - | ○ | ルアーロック |
| 5 | 100ul pipette tip | 0.6mm | 200μL | ○ | ルアースリップ |
| 6 | 200ul standard tip | 0.5mm | 300μL | ○ | 200ul tipcone |
| 7 | 200ul gel loading tip | 0.3mm | 300μL | ○ | 200ul tipcone |
| 8 | 1ml pipette tip | 0.8mm | 1.5mL | ○ | 1ml tipcone |
| (未調査) | 10ul gel loading tip | かなり細そう | - | ○ | ? |
改造ノズル
ピペットチップなどを蝋燭等で溶かして加工して 極細口(口径0.2mmぐらいから)のものが作れる。 またカッターナイフでカットして太口のものを作れる。
改造ノズル。上:ピペットチップの細口加工、下:ピペットチップの広口加工。
アダプター
容量があるものは拡張バレルとして使える。
femaleルアーテーパー|male200ul tipcone|
チューブピペット
なんだっけ? アダプター? ピペットバルブを使うときのアダプター?
| 7 | オスΦ6.5 | オスルアースリップ | luer tube pipette v1 |
| 8 | オスΦ6.5 | オス1ml tipcone | 1ml tip tube pipette v4 |
| 9 | オスΦ9 | オスルアースリップ | tube pipette |
オススメ
バレルには1ml pipette tipを使う。
ノズルは 廃液用には(1)通常ピペットチップをそのまま使う。 小さい検体の廃液用には(3)ピペットチップの細口加工加工したものを使う。 もし加工が難しいなら(4)市販のチューブノズルを嵌めて使う。 移動用には(2)ピペットチップの広口加工したものを使う。
ピペッターは4種類載せたがどれか一つに統一して良い。 どれでもいいが(2)spring syringeか、入手できるなら(1)固定容量マイクロピペットをオススメする。 ピペットバルブは手の震えがそのまま伝わる感じで私は好きではない。
移動用
ノズルとバレルの間に段差があるとそこに検体が貼り付いてしまい面倒なことになることがある。
絵があった方がいいか?
そのため移動用としてはノズルとバレルが一体になった組み合わせを使うべき。 つまり以下のいずれか。
- polyethylene pipette 肉厚が厚いので改造しないと難しいかも。
大きい検体(1mm以上?詳細は未検討)を扱う場合、 1ml pipette tipとピペッターは2.5mLシリンジ、 できればspring syringeか(入手できるなら)1mL固定容量マイクロピペットが良い。 ピペットバルブは使いにくいと思うのだが慣れの問題なのか。
すごく小さい検体(0.5mm以下?)を扱う場合は、 200ul pipette tipや100ul pipette tipと1mLシリンジが良いかもしれない(あまり検討していない)。
ピペットチップは先端を加工していくつかの口径のものを作っておく。
また薬品ごと
1. 1mL pipette tip + 2.5mLspring syringe 2. 100ul pipette tip + 1mLspring syringe 3. いろいろな口径のもの
排液用
ノズルとバレルは分離していても構わないので選択肢は多い。 バレルには1ml pipette tipをオススメする。 ピペッターは2.5mLシリンジでも良いが、 できれば2.5mLspring syringe、入手可能なら1mL固定容量マイクロピペットをオススメする。 ノズルには
シリンジをバレルとして使う方法
扱う薬品によってはガスケットが消耗しやすくなるので ガスケットの交換が頻繁になるかもしれない。 (最近やってないので、どれぐらいの頻度で交換が必要になるかかわからない)
チューブピペット
バルサム滴下用
その他のピペット
→ 一般的なピペット
- ポリスポイト
- 駒込ピペット
- パスツールピペット
TIPS
使い方
2段階プッシュテク
マイクロピペットの機能、two step plunger operationに相当することをシリンジでやる方法。
参考文献
オススメ
移動用ノズル&バレル
transfer用ではノズルとバレルの接続部に段差があるとそこに検体が貼り付いてしまうことがあり、 ノズルとバレルは一体となっており滑らかな形状をしているべき。 ノズルとバレルが一体となったものとしては、 各種ピペットチップとそれらを加工したものやパスツールピペットがあるが、 パスツールピペットは虫の標本Wikiではオススメしていない。 したがってtransfer用ではピペットチップを使うことをオススメする。
排液用ノズル+バレル
draining用も一体であった方が良いが、それほど重要ではない。 分離する場合、バレルとしては1ml pipette tipをオススメする。
| チップ | 拡張バレル(+1mL) | 口径 | 口径(加工) | チップ内容量 | 透明 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1ml pipette tip | 0.8mm | 0.2mm〜 | 1mL | ○ | |
| 200ul pipette tip | 1ml_tipcone_to_200ul_tip_adapter | 0.5mm | 0.2mm〜 | 200μL | ○ |
| 100ul pipette tip | [1ml_tipcone_to_luer_adapter | 0.6mm | 0.2mm〜 | 200μL | ○ |
| 200ul gel loading tip | 1ml_tipcone_to_200ul_tip_adapter | 0.3mm | 200μL | ○ | |
| 10ul gel loading tip | 不明 | かなり細そう | - | ○ | |
| チューブノズル | 1ml_tipcone_to_pe_tube_adapter | 0.3〜0.7mm | 100μL? | △ | |
| conical | 1ml_tipcone_to_luer_adapter | 0.2〜2.5mm | 100μL | △ | |
| flexible dispensing tip | 1ml_tipcone_to_luer_adapter | 0.25〜1.3mm | - | × |
ピペッター
容量
| 固定容量マイクロピペット | |
| シリンジ | 1mL/2.5mL |
| spring syringe | |
| ピペットバルブ |
極細口改造ピペットチップ
ゲルローディングチップ(200μL以下)
チューブノズル(100μL以下)
==== ノズルとバレルが分離 ====
バレルには
* チューブノズル
* ディスペンシングチップ
==== ピペッター ====
*
==== バレルとピペッターが一体 ====
その他
分類群によって異なると思うが、
コナジラミの処理用には以下のセットをオススメしたい。
<WRAP tdl center 80%>{{:pipette:pipette-recommendation-4.jpg?400|}}</WRAP>
1. ポンプ部には2.5mL[[syringe]]を使い、[[spring syringe]]化する。
バレルには[[1ml pipette tip]]を使用する。
これによってシリンジ内に液体が進入をなくすことができてガスケットが長持ちする。
[[spring syringe]]化するとシリンジ内への液体の進入に関して気にしなくても良くなる。
段差が無く滑らかな形状なので液体が残りにくく具合が良い。
ノズルは通常は[[1ml pipette tip]]をそのまま使う。
2. [[transfer]]用の太口ノズルは、[[1ml pipette tip]]をカットして作れる。
詳細は...参照。
3. 長さが足りない場合は延長チューブを使うこともできる。
延長チューブは[[1ml pipette tip]]をカットして作れる。
詳細は[[1ml tip extension tube]]参照。
4. 0.3mm級の極細ノズルが欲しい場合は[[tube nozzle]]を使うと良い。
[[1ml pipette tip]]を少し短くカットしてそのまま挿せるし、
先端をカットして口径を調整でき、
柔らかだし、
安価で良い。
ノーブランド品であり供給はされると思うがスペックが書かれていないので、今使ってるのが販売されなくなった場合買ってみないとわからない。
詳細は[[1ml tipcone to pe tube adapter]]を参照。
少量の液体を扱う場合は、[[1ml syringe]]をベースに組むと良いかもしれない。
<WRAP tdl center 80%>{{:pipette:pipette-recommendation-6.jpg?400|}}</WRAP>
1. ピペッターとして1ml[[syringe]]、バレル兼ノズルに[[100ul pipette tip]]を使う。
もしくはアダプターを介して[[200ul pipette tip]]を使う。
シリンジは[[spring syringe]]化する。
2. 移動用の広口ノズルはピペットチップの先端をカットして作る。
あまり大きくはできない(吸い込む力が弱くなるので使えない)。
3. 0.3mm級の極細ノズルが必要な場合は、ピペットチップの先端に[[tube nozzle]]を嵌める。
ピペットチップ側の不要な部分はカットしておいた方が良い。
液が溜まるので。
もし[[syringe]]ではなく[[pipette bulb]]が良いというならば以下の方法をオススメする。
詳しくは[[tube pipette]]を参照されたい。
<WRAP tdl center 80%>{{tube_pipette:tube-pipette-recommendation.jpg?400|}}</WRAP>
<WRAP hide>
1. [[tube nozzle]]。
上にも書いたが口径0.3mmぐらいからある。安価。
内径3.5mm〜4mmのものはそのまま挿せる。
3mmのものは2の方法で使うと良い。
2. チップ内容量が少なく、シリンジへの液体の進入を防ぎたい場合はピペットチップをバレルとして使うと良い。
3. [[100ul pipette tip]]。偶然っぽいが基部口径とテーパーが近いのでそのまま挿せる。
[[spring syringe]]化すると、シリンジ内への液体の進入に関して気にしなくて良くなる。
4. [[conical dispensing tip]]。口径0.2mm〜2.5mmぐらいまであるが
ほぼ不透明な色が付いているのでいやかな。
写真のは口径0.2mmで透明だがフロスト加工されており中はあまり良く見えない。
チップ内容量が少ないので、写真のように[[tube pipette]]に挿して使うか、
ルアー・延長チューブ(記事にしてないが[[1ml tipcone to luer adapter]]を参考)を使うと良いと思う。
5. [[flexible dispensing tip]]。そのまま挿せる。
チップ内容量がほぼ無いので、4と同様な使い方をした方が良いかもしれない。
6. [[200ul pipette tip]] スタンダードチップ。[[luer to 200ul tip adapter]]を介して接続する。
7. 100μL[[gel loading tip]]
2. ポンプ部に[[pipette bulb]]を使うこともできるので参考までに。
好みによると思うが手の震えがそのまま伝わって私はやりにくく感じる。
シリンジは摩擦があるせいかそれがない。
詳細は[[tube pipette]]を参照。
</WRAP>
===== バレル =====
液体を溜める筒。
通常ノズル側と一体となっているかピペッター側と一体になっているが、
アダプターを使って分離させることもできる。
[[1ml pipette tip]]や1ml[[syringe]]の筒の部分だけを切り出したものなどをバレルとして使うことができる。
アダプターの一部はバレルの意味もある。
* [[tube pipette]]
* [[1ml tipcone to pe tube adapter]]
* [[1ml tipcone to luer tip adapter]]
* [[1ml tipcone to 200ul tip adapter]]
* [[1ml tip extension tube]]
写真






