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白金耳

ステンレス製白金耳。 上:丸ヤットコで作る方法、下:ねじって作る方法

金属製の細い線をリング状に加工して柄に取り付けたツール。 一般的には微生物の移植などに使われるらしい。 スライド標本作成では液体に浮いている検体を個別に掬って別の液体に移動するときに使う。 浮いていない検体の移動には使えない。 軟化漂白等で処理が済んだ検体を個別に掬う必要があるがその場合に使うと良い。 マイクロ平ブラシでも掬えるが、白金耳の方が薬品に強く作るのが簡単だし使い勝手が良い。

どれくらいの大きさが良いか? リングの内径がある程度小さいものであれば、表面張力により液体の膜が出来るので、 内径より小さいものでも掬うことができる。 どれくらいの大きさまで使えるか試してみたが4mmまでは大丈夫だった。詳しくは備考1参照。 リングが小さいと位置をある程度正確に合わせないとこぼれてしまう。 そういう意味では大きめの方が掬いやすいが、選択的に掬う場合は適度な大きさがあった方が良い。 日本に生息するコナジラミの蛹殻の場合は内径2mm程度のものが一つあれば良いのではないかと思う。 表面張力による膜ができなくなるような大きなものでは試してないので分からない。

白金耳は市販もされているが使えるかどうかは分からない。 安価なものはニクロム線が使われているようだ。 アクセサリー用のアイピン(9ピン)も使えるかもしれない。

用語

白金耳、接種棒、ループ等と呼ばれているようだ。 白金製でないものもあるので、ステンレス製のものを白金耳と呼んでも問題なさそう。

関連事項

使用例

アブラムシ関係の文献でで紹介されていたと思ったが見つからない。 アブラムシ入門図鑑で紹介されている。 カイガラムシ関係で使われてる(田中 宏卓, 2014, p.47)

使い方

対象の少し離れたところで輪っかの部分を沈める。 沈めたまま検体の真下に輪っかを近づけて掬い上げる。 移動先の液体に落とす。

検体が壁際でない場合、白金耳を近づけていくと検体が逃げていく場合がある。 そのような場合は、手早く掬い上げると良い。 もしゆっくり近づけたい場合は以下の点を注意する。

  • 輪っかが液面に対して水平になるようにする。
  • 深いところに沈めたまま近づける。

作り方その1(丸ヤットコで曲げる方法)

ステンレス製の虫ピンを丸ヤットコ(ワイヤールーピングプライヤー)で曲げて作る。

虫ピン00号とAnex #252 片丸ヤットコ

必要なもの

  • 丸ヤットコ(丸ペンチ、ワイヤールーピングプライヤー、ラウンドノーズプライヤー)
  • ステンレス製の虫ピン。太さは00号(直径0.3mm)あたり。
  • 柄の材料と取付けるツール(→別記事)。
  • 線材をカットする道具。ペンチ、ニッパー(刃が痛むかもしれない)、ハサミ(金属が切れるやつ)。
  • 平ヤットコもあった方が良いかも。
  • ロウソク、ライター。

先に柄に取付ける。 その方が作業がしやすい。

先端部をカットし、 ロウソクやライターの炎で焼く(可能なら焼いてからカットしても良い)。 赤くなったら炎から外して空冷する。 こうすると加工がしやすくなるし、 撥水(液)製を下げる意味でも焼いた方が良い(rem2参照)。

丸ヤットコで曲げる。 のようにする必要はなくqでも良い。 隙間はできるだけ狭くする。

適当に角度を調整する。 実際に使用する角度で、輪っかの部分が水平になるようにする。

虫ピンの代わりに針金が使えるかどうかについては、 可能だが、柔らかいので良く変形しそうだ。

作り方その2(よじる方法)

針金などの軟質の材料をドリルビット等の心材に巻き付けて作る方法。 丸ヤットコは不要だが、使うときに少しコツが必要になる。 よじった部分が太くなる影響かゆっくり近づけると対象が逃げていくので手早く掬い上げる。

用意するもの。

  • 針金にはダイソーの0.28mmステン針金が使える。
  • Φ1〜2mm径の心材(ドリルビット、針金等)。ここでは径1.6mmのドリルビットを使用。
  • ペンチ、輪ゴム
  • 柄の材料と道具(→別ページ)
  • ロウソクやライター

針金を8cm程度の長さに切る。

針金を2つ折りにして心材に巻き付けていく。 心材と反対側の端をペンチで挟む。 このときペンチの握る部分を輪ゴムで止めると少しやりやすい。 ひたすらよじっていく。

よじり終わり。

柄に取付ける。(→別記事) 角度を調整。 その後先端をライターなどで赤くなるまで加熱する。

備考

備考1(どれくらいの大きさまで液体の膜ができるか)

少なくとも内径4mmは大丈夫だった。それ以上は試してない。 動画の液体は水だが、他に80%エタノール、氷酢酸についても大丈夫だった。

内径4mmの白金耳。液体は水。

備考2(先端を焼く効果)

ステンレスはそのままだと撥水性(撥液性?)が高く、 移動先で検体を落とすときに跳ねるように移動してしまうので ちょっと使いにくい。 焼くと撥水性を落とすことが出来る。 ただし耐食性が落ちるかもしれない。 油を塗って加熱しあまり温度を上げない方が良いかもしれない。 いちおう可能なようだが、温度が分からないので難しい。

焼いてない場合と焼いた場合の違い

参考文献

tanaka2014 ^ 田中 宏卓, 2014. 植物防疫基礎講座 農業害虫としてのカイガラムシの見分け方 カイガラムシの標本作製法. 植物防疫 = Plant protection, 68, 東京 : 日本植物防疫協会, pp.483–488, ISSN 0037-4091.
inoculation_loop.1771710584.txt.gz · 最終更新: 2026/02/22 06:49 by Konajirami-ya