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iKEMELAB ミニピペット
固定容量マイクロピペットの一種。 容量は10〜200μL。 200μLピペットチップを挿して使う。 AliExpressから安価に購入できる。
ABS樹脂製で有機溶剤に容易に溶けるので扱いには注意すること。 あまりオススメしない。 ここでは参考程度に記す。
メーカーサイト: Laboratory Mini Pipette 10-200ul < iKEMELAB
いくつかの容量のものが販売されているが、 どれも先端には200μLのピペットチップを挿して使う。 200μLのものは100μLのものに比べるとなぜかストロークが半分しかない。 100uL以下の商品は(調べたのは10,25,50,100)容量とストローク量が比例しているので、ストローク量で容量を調整していると思われる。
容量の精度について、安いマイクロピペットを使って計ってみたが、あまり正確では無いようだ。
用途
移動用としては使えると思う。 排液用としては容量が少ないので、あまり適していない。 100μLのものはマウントメディアの滴下用に使えると思う。
移動用にはピペットチップの先端をカットして いくつか口径のものを用意しておくと良い。 →
マウントメディア滴下用には使い捨ての安い200μLチップを 使用できるので良いかもしれない。
入手先
AliExpressの複数のショップで扱われているが以下から入手してみた。 単価700円ぐらい。
< 実験室ピペット20ul 25ul 30ul 50ul 75ul 100ulマイクロピペット固定ミニピペット < IKEME Store (Aliexpress)
カスタマイズ
ストロークを制限するパーツを作ると中間的な容量が実現できる。 マウントメディア滴下用には、特に大量にマウントするような場合、 異なる容量のものを作っておくと楽かもしれない。
押し子にかぶせて使うので、ミニピペット本体は100μLのもの一本で良い(200μLのものはなぜかストロークが短い)。 図はマイクロチューブのキャップ部分と、1mLピペットチップの中央を切り出したものから作ったパーツ。
100μLのミニピペットの押し子の飛び出てる部分(なんという?)の長さは離したとき 19.0mm、押し込んだとき 4.5mmなので、 目的の容量をv(μL)とするとパイプの長さl(mm)は以下の式で求められる。 ミニピペット自体の精度がそんなに高くないようなのでだいたい。
l = 19.0 - (19.0-4.5)*v/100 = 19.0 + 0.145*v
マウントメディア滴下用に必要な容量は、カバーガラスの大きさ、スペーサーの厚さ、マウントメディアの粘度とかで変わると思う。 詳しくはマウントを参照。
構造
一つ壊れたので分解してみた。 ピストン側にはガスケットはなくてシリンダーの方にOリングが仕込まれているようだ。 グリースも塗られている。 製造方法は想像だけどフランジの部分で接着していると思われる。
注意点
- ABS樹脂製(リンク!)のようで有機溶剤耐性がまったくないので注意すること。
- ピペット内部に液体が入らないように注意すること。
- 置くときに口を下にして立てておくこと。
- 保管時はチップを外すこと。
- 勢い良く吸わないこと。
TIP
吸い込むとき最後まで押し切らずに途中で止め、 吐き出すときには最後まで押し込むとほとんど残らず排出できる。 マイクロピペットの吐出機能と同じ。
課題
- 耐久性などはまだ不明。