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脱ロウ
蝋物質を取り除く処理。脱脂も同時に行う。 蝋物質が残っていると生物顕微鏡で奇麗に見えない。 文献に載っている方法ではフェノールが使われるのだけどこれは劇物でありできるだけ使わないようにするため別の方法を模索している。 蝋物質自体はキシレンやその代替品で溶かすことが出来るが常温だとかなり時間が掛かるので80℃の湯煎にする。 容器はポリプロピレン製のマイクロチューブを使う。 あと脱水剤の意味で少量のエタノールかイソプロピルアルコールを加える。
順序についても文献に載っている方法ではかなり後に行なわれるが、虫の標本Wikiでは最初( 剥離の次)に行う方向でテスト中。 こうすると軟化の時間がかなり短縮でき、 ワックスや油脂の多い検体でも安定して処理できるような気がする。
道具
- 脱ロウ剤。キシレンあるいは代替品(後述)。
- マイクロチューブ立て。お湯の中に浸けられるもの。
- 細口と太口ピペット
- 鍋と水と温度計とコンロ。ガスコンロの場合はフタが吹っ飛んだ場合などに怖いので保温できる容器にお湯を入れるようにすると良いかもしれない。
手順
(1) 検体を太口ピペットで処理容器に移動後。媒体を️排液する。
(2) 水分を除くため、エタノールかイソプロピルアルコールですすぐ。具体的にはエタノール等を100μLほど加えて軽く振り、細口ピペットで️排液する。検体を吸い込まないように注意すること。
(3) 脱ロウ剤を50〜200μL程度加える(検体の量にもよるがだいたいで)。エタノールかイソプロピルアルコールを1滴ぐらい加える。
(4) 容器にフタをして、80℃程度の湯煎にする。 時間は落葉樹で越冬する状態のコナジラミ蛹殻の場合80℃になってから10分程度。 蝋物質自体はすぐに溶けるが、虫体内の脱脂もある程度行う。 春から夏に得られるものは80℃になった時点で終了して良い(たぶん)。
(5) 少し冷ます。 薬液が少なかった場合、どろどろしたグリース状になるので、 その場合は脱ロウ剤を追加して振ればたぶん溶ける。
(6) 次の工程で使用する容器に移動、️排液し、 エタノールかイソプロピルアルコールですすぐ。
注意点
どの薬品も引火性が高いので火災には十分注意すること。
備考
脱ロウ剤には以下のようなものが使えると思う。d-リモネンが入手しやすく、人体への害も少なそうなのでオススメ。 → レモゾールが入手できるかもしれない。
- Histo-Clear (未入手)
- レモゾール (未入手)
- レモゾールA (未入手)
容器について。 ポリプロピレンは一般的にはキシレンに耐性が無いとされているので、 使用後は中の薬液を排出して乾燥しておいた方が良いと思う。 また壊れる前に定期的に交換した方が良いかもしれない。 プッシュキャップ式のマイクロチューブは外れないか少し不安だが、d-リモネンやキシレンの沸点は100℃以上なので問題ない。またエタノールやイソプロピルアルコールの沸点が80℃前後なので、温度を上げすぎなければ大丈夫だと思う。
関連事項
===== 参考文献 ===== ~~REFNOTES~~

