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脱ロウ
蝋物質を取り除く処理。脱脂も同時に行う。 蝋物質が残っていると奇麗な標本にはならない。
文献に載っている方法ではキシレンとフェノールの混合液等が使われるのだけど、 フェノールは劇物でありできるだけ使わないようにするため別の方法を模索しているが、 フェノールを使わなくても今のところ問題無いように思う。 蝋物質自体はキシレン(あるいはその代替品)単独でも溶かすことが出来るようだが、 常温だとかなり時間が掛かるので60℃で加温する。 不要な場合〜長くて1時間程度で完了するように思う。 容器は漏れが少ないポリプロピレン製のマイクロチューブを使う。 水分が含まれるとうまくいかないので先に脱水しておき、 脱水剤の意味で少量のエタノールかイソプロピルアルコールを加える。 なお蝋物質が少ない場合は加温する必要は無い。
道具
- 脱ロウ剤。キシレンあるいは代替品(後述)。
- 無水エタノール(99.5%)。イソプロピルアルコールでも可。
- 細口と太口ピペット
手順
酸性化の後に行うこととする。 蝋物質が無いと思われる場合も脱脂の意味もあるので加温しない方法で行うこと。
蝋物質が多い場合(加温する)
加温するが浸漬皿だと漏れが多いのでマイクロチューブに移動して処理する。
(1) 容器のフタとかに付いている水分をティッシュペーパー等で除去する。
(3) (脱水) エタノールを️排液し、もう一度エタノールを加える。
(4) 検体を太口ピペットでエタノールごとマイクロチューブに移動後、エタノールを注意深く(検体を吸い込まないように)️排液する。
(5) 脱ロウ剤を100〜500μL程度加える(検体の量とかワックスの量にもよる)。エタノールを1滴ぐらい加える((4)の時に少し残しておいても良い)。
(6) マイクロチューブのフタをしめて60℃程度に加温し1時間ほど静置する。 その後あるいは途中で実体顕微鏡で観察して溶けているようだったら終了する。
(7) 少し冷ます。 脱ロウ剤が少なかった場合、どろどろしたグリース状になりピペットで吸い取れないので、 その場合は脱ロウ剤を追加して振ればさらさらになる。
蝋物質が少ない場合(常温で処理)
加温しないのでマイクロチューブに移動する必要はない。
(1) 容器のフタとかに付いている水分をティッシュペーパー等で除去する。
(3) (脱水) エタノールを️排液し、もう一度エタノールを加える。
(4) エタノールを注意深く(検体を吸い込まないように)️排液する。
(5) 脱ロウ剤を100μL程度加える。エタノールを1滴ぐらい加える((4)の時に少し残しておいても良い)。
(6) 常温で1時間ほど静置する。 その後あるいは途中で実体顕微鏡で観察して溶けているようだったら終了する。
注意点
どの薬品も引火性が高いので火災には十分注意すること。
備考
脱ロウ剤には以下のようなものが使えると思う。 d-リモネンかレモゾール、レモゾールAが人体への害も少なそうなのでオススメだけど高価。
- d-リモネン シール剝がし用の小容量のものが入手できる。問題なく使える。
- キシレン 問題なく使える。安価だが毒性が強い。
- Histo-Clear (未入手) 量が多いので(約4L)、微小昆虫のプレパラート標本作成だけでは使い切れないと思う。
- レモゾール (未入手)
- レモゾールA 入手はした。未テスト。
容器について。 ポリプロピレンは一般的にはキシレンに耐性が無いとされているので、 使用後は中の薬液を排出して乾燥しておいた方が良いと思う。 また壊れる前に定期的に交換した方が良いかもしれない。 その意味ではガラス製のフタ付きの小さな試験管が良いのだろうけど、適当なものの入手が難しい。
関連事項
===== 参考文献 ===== ~~REFNOTES~~

